台所の水漏れで悲劇に見舞われた私の部屋

kitchen_tragedy
私の家の南側にはすぐそばに隣家が建っているので、設計の段階で2階をリビングにしようということになったそうだ。なので、お風呂や寝室、子供部屋などは1階にある。私の部屋は特に日当たりの悪い1階の北側の部屋だ。しかも上が台所なので、排水の音がすごくてうるさい時がある。朝早くから母が台所で作業をしていると、排水の音で起こされるほどだ。たまりかねて文句を言うと、「いい歳をして親のスネをかじって、不満があるなら出て行きなさい」と言われる始末だ。まあ、確かに30歳にもなって彼氏もいない、もちろん結婚の予定もない私が、家にお金も入れずに住み続けていられるだけでも両親に感謝しなくてはならないのかもしれないけれど。だけど時々の嫌味さえ我慢すれば、やっぱり実家暮らしは居心地がいい。この暮らしを手放そうという気は、さらさらなかった。

そんな我が家に、早く娘を家から出しなさいという暗示かと思うような出来事が起きた。週末のある朝、いつものように排水の音で目が覚めた私は、床を見るなりさらに一気に目が覚めた。何と私の部屋が水浸しになっているではないか。悲鳴を上げて母を呼び、父も兄も何事かと駆けつけ、我が家は一時騒然となった。急いで地域の水道屋さんを呼び、調べてもらうと、台所の排水管から大量に水漏れしていて、私の部屋に流れてしまったそうだ。異様な匂いのする水と変な泡で、私の大切なアルバムも友達からの手紙も、大切なものは全て水浸しになってしまったのだった。大がかりな工事が行われ、無事に排水管は直ったけれど、台所の水漏れで悲劇に見舞われた私の部屋で、大切な宝物たちが大量のごみとなって私を待っていた。泣く泣くそれらを処分しながら、「あぁ、早く結婚してこの家を出よう」と強く誓ったのだった。